ウィーン13 郵便貯金局

191郵便貯金局（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

　聖バルバラ教会の東側のビーバー通りに行くと郵便貯金局の正面になります。ただし年末のためお休み。

　郵便貯金局はオットー・ヴァーグナー Otto Wagner（1841～1918）の代表的建築物です。その正面東側には旧陸軍省（現経済省）がみえます。

192旧陸軍省（現経済省）（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

　再度、中央郵便局まで戻って、南側のフライシュマルクト通りを西に向かいます。途中、聖三位一体聖堂・グリーヒェンバイスル・黒い聖母の家がみえます。

　聖三位一体聖堂は、皇帝ヨーゼフ2世が1787年に発布した寛容令によって、カトリック以外の信仰も認められたことから建立されたギリシア正教会の教会です。現在の建物は1856年にテオフィル・ハンセン Theophil Edvard Hansen（1867～91）がビザンティン様式で建立したものです。

193聖三位一体聖堂（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

　グリーヒェンバイスルは1447年の古文書にその名があるというウィーン最古の旅籠で、隣にギリシア正教会が出来たことから「グリーヒェン（ギリシア）バイスル」の名があります。その隣にある黒い聖母の家は、ファザードが17世紀に建てられたものです。

194グリーヒェンバイスル（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

195黒い聖母の家（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

　フライシュマルクト通りを西に直進すると写真のような階段があり、その上には白い建物があります。

　これはケルンホイゼルトゥルムで、ヨーゼフ・ケルンホイゼル Joseph Georg Kornhausel（1782～1860）によって建てられた集合住宅です。1825年から1827年にかけて建てられ、9階建ての塔は完成当時ウィーンで最も高い民間の建物でした。

196ケルンホイゼルトゥルム（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

197ケルンホイゼルトゥルム付近から見たフライシュマルクト通り（西から東方向を見る）（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

　ケルンホイゼルトゥルム付近からフライシュマルクト通りを西に進むとすぐに三叉路となり、ユーデンガッセ通りを北上するとルプレヒト教会です。

198ユーデンガッセ通り（平成25年（2013）12月28日、管理人撮影）

　ユーデンガッセ通りからルプレヒト教会に向かって北上する途中、東側にシナゴークがみえます。

　シナゴークはユダヤ教の会堂で、ウィーンのそれは「市民神殿」と称されています。ヨーゼフ2世の寛容令の後にシナゴーク建立が計画され、1823年から1826年にかけてヨーゼフ・ケルンホイゼル Joseph Georg Kornhausel（1782～1860）によって建てられました。

　ドイツに併合（アンシュルス）されたばかりのオーストリアにおいて、1938年1月にユダヤ人弾圧の水晶の夜事件の際に、130以上のウィーンのシナゴークが放火されましたが、このシナゴークのみは狭い通りにあって住宅地が密集していたため、放火されず、この事件を唯一生き延びたシナゴークになりました。

　1979年4月22日に、シナゴークにてパレスチナ過激派による爆弾テロがあり、この時は死傷者はいませんでしたが、1981年8月29日にあったパレスチナ過激派による乱射事件では、マシンガンと手榴弾により死者2名、重傷者21名を出す大惨事となりました。そのため現在でも警察により常に守られており、訪れた時にもパトカーが止まっていました。