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内閣は皇帝の諮問機関である。嘉隆年間（1802～19）初頭に成立し、当初は文書房と称され、フエの紫禁城内の右廡の左直房に設置されていた。尚葆卿・尚葆少卿がトップとなり、構成員として曹尚葆・起居註・図書・表簿がいた。明命7年（1826）に左廡の右直房に移された（『大南一統志』巻之1、京師、官署、内閣）。
阮朝は、中国明・清の制度にならって皇帝専制政治が原則ではあり、あらゆる政務の決定権は皇帝の手中にあったが、やはり中国にならって皇帝の諮問機関である「内閣」が設置された。そのため国政において皇帝の次に権威が高かった。
しかし明命11年（1830）に内閣の席次を六部の次に改められ（『大南一統志』巻之1、京師、官署、内閣）、明命14年（1833）に今度は左廡の左直房に移され、六部の侍郎・通政使・副使や翰林院直学士が統轄することによって（『大南一統志』巻之1、京師、官署、内閣）、事実上六部の下位に位置づけられ、さらに同年、皇帝の諮問機関である機密院が明命14年（1833）に設置されると（『大南一統志』巻之1、京師、官署、機密院）、同様に皇帝の諮問機関であった内閣の位置付けは完全に低下した。
明命17年（1836）に図書を秘書曹に、起居註を承務曹に改めており、紹治4年（1844）に尚葆・秘書・絲綸・本章の4所の属員を翰林銜の従四品以下の位のものを充てることになっている（『大南一統志』巻之1、京師、官署、内閣）。
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左廡（平成23年（2011）3月18日、管理人撮影）
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